映像制作フローの根本をテクノロジーで変える、Video-Suite開発の裏側

 

 

 

 

 

株式会社CyberBullでチーフプランナーをしております小野寺です。
私は、2016年1月にCyberBullに中途入社し、現在はディレクター兼プランナーとして映像企画から演出の落とし込み、現場の仕切りなどを経て動画広告を作り上げています。今回は、弊社の開発した動画制作オートメーションツール「Video-Suite(ビデオスイート)」について、どんなシステムで、どんな思いで開発に至ったか等をお伝えしたいと思います。

 

-Video-Suiteとは

Video-Suiteは、CyberBullの動画広告の制作体制を支える「オートメーションツール」です。

一般的に、静止画と比較して制作に時間がかかる動画ですが、「最短で当日納品」を実現する画期的なシステムです。
映像制作のオーバーフロー気味な制作現場を改善したいと考え、これまで人の手を介して作業していた編集作業に取り掛かるまでの工程を全てシステム化しました。映像制作者の負担を減らし「考える時間」を増やすことでより質の高いクリエイティブを提供することを目指した開発構想をお話したいと思います。

 

-デジタルでの映像制作に変わり10年以上経過しても映像制作の根本フローは大きく変わることがないことに疑問を持っていました

「テクノロジーで制作フローの工数を減らす」という構想のもと、まず、問題点の洗い出しからワークフローの再構築を行いました。映像制作は大きくプランニング撮影収録、編集、ファイルの書きだし、納品・配信といったワークフローになっているのですが、各セクションに大きく2つの課題がありました。

1)動画素材の洗い出し、シーンセレクト
撮影素材の使い所は撮影スタッフ(主にディレクター)と一緒に確認する必要がある

2)大容量のファイル移動で時間が取られるファイル転送

解決策を考えるきっかけとなったのが、前職で画像認識技術を使ったコンテンツを複数制作した経験です。
1つ目の課題に対して画像認識技術を使って動画編集の工数削減に繋がる方法はないか考えていました。そこで浮かんだのが、仮想現実のコンテンツ制作で利用したことがあるQRコードです。(イベントで店舗などにQRコードを置きスマホのカメラで覗くとそこに何かがあるかの様な仮想現実が体験できる物)

映像撮影では、動画素材がどのカットなのかわかるようにシーン名やカット番号を書いたクリップボード(※カチンコ)を使いアナログに目視で素材の確認を行っています。 これをQRコードにすることで、コンピューターにも「どういう動画なのか」読めるようにシステム構築を考えました。QRコードの中には、どのカットなのかシーン番号、NG素材なのかOK素材なのか判別するデータ、その他に、どのようなカットなのか具体的な内容も入れています。ダイレクト動画における効果情報とあわせることで、PDCAをより可視化し、効果のある動画制作を行えるようにワークフロー化を進めています。

2つ目の課題であったファイル転送は、カメラにつながれたPCで、録画された動画素材がモバイル回線でも送りやすいサイズに自動エンコードされ、自社のサーバーに瞬時に送られるようにしたため、撮影終了と同時に編集作業を行うことが可能になりました。送られたファイルは、映像の中にある「QRコード」を読み取り、クライアント名、商材名や「どんな撮影」素材なのか、またOK素材、いらないNG素材なのかを瞬時にタグ付け(meta情報化)されます。その情報を見ながら動画編集者がOK素材だけを使い次々と編集を行っていきます。

 

 

-Video-Suiteによる制作フローの効率化の仕組み

 

こうして動画素材をよりスピーディーに編集することが可能となり、最短で午前中撮影した素材を同日の午後には納品・配信を行うことができるようになりました。

CyberBull、動画製作オートメーションツール「Video-Suite」を提供開始 最短で午前中撮影した素材を同日の午後には納品・配信が可能に(Video-Suite 2016年10月リリース)

 

また、動画編集において同じプロジェクトを複数人で同時進行に作業することが難しかったことから、より速度の早い回線とサーバーを準備し、複数同時編集を可能にする環境も整えています。

 

Video-Suiteの今後

Video-Suiteは、映像制作におけるワークフローをシステム化することで制作現場の負担を減らし、考える時間を増やすことでより質の高いクリエイティブ提供、さらには映像のMeta化をすることでクリエイティブを可視化し、より効果の高い広告を提供できると考えています。今後は、効果検証結果もシステムに反映させ、広告効果を高めるシステムに進化させていきたいと考えています。
今後もCyberBullでは、新しいクリエイティブフォーマットの開発や、AIを活用した動画自動編集ツール、独自のクリエイティブ解析機能等の開発・提供を積極的に行ってまいります。

※この記事では、2016年11月にWantedlyにて公開した内容をご紹介しています。