Vol.3 ”クリエイティブの疲弊”を防ぐために

前回の記事では、テレビとスマホの視聴環境の違いと特徴から、なぜスマホでの動画マーケティングにはTVCMと別のクリエイティブを用意すべきなのかという理由についてお伝えしました。さらにスマホにおけるマーケティングでは、あと1つ、重視して考えるべき点があります。

それは「クリエイティブの疲弊」です。

配信した動画広告が、飽きられたり見慣れたりしてスル―されることで広告効果が下がってしまうことを僕たちは「クリエイティブの疲弊」と呼んでいます。

TVCMの場合は、一貫したクリエイティブを長期間にわたって展開することで刷り込み効果が得られるものかと思いますが、スマホの場合は単一のクリエイティブを配信する方法は上手くいかないことが多いと感じています。

実際に、下のグラフは弊社で過去に実施した動画広告キャンペーンおいて、1パターンのみの動画を配信した実績と複数パターンの動画を運用して配信した実績を比較したものです。

 

初日の動画再生率を基準(基準値として100%とする)とした場合に、日数の経過に応じて動画再生率がどれくらい増減したかを表しています。

グラフを見てわかるように、1パターンのみ動画を配信した場合の再生率は、配信翌日から半分以下に下がってしまっています。一方、複数パターンの動画を配信した場合は配信期間中の再生率が比較的安定しており、より多くの人が動画広告を見てくれていることがわかります。

 改めて、スマホ上の生活者は「せっかち」なのです。

たったの指1本、容易く情報を受け入れるか否かのジャッジが下されます。

そんな「せっかち」なスマホの世界で15秒もの間、同じ動画クリエイティブを繰り返し視聴してもらうことはなかなかハードルが高く難しい状況です。

 

改めてスマホに最適な動画クリエイティブを考えると

ここで本題です。どのようなクリエイティブであればスマホ上で受け入れられ、本来伝えたかった情報を伝えたい相手に伝えることができるのでしょうか。

スマホ上の生活者は「せっかち」です。 彼らに興味を持ってもらえるような工夫をしなければ、見てもらえないという世界になります。 そうなると実施すべきことは明確です。

 

「自分ごと」として受け止められるクリエイティブを作り分ける必要があります。

 

 

男性には男性用のクリエイティブを
女性には女性用のクリエイティブを

都会に住む人には、都会に住む人用のクリエイティブを
地方に住む人には、地方に住む人用のクリエイティブを

20代には、20代用のクリエイティブを
30代には、30代用のクリエイティブを

 

このように、これまでよりもさらに一歩、企業側から生活者側に歩み寄ってあげる必要があります。 そうすることによって、生活者がその動画クリエイティブを「自分ごと」として受け止めるようになり、伝えたい情報が伝わる状態を実現することができるのではないでしょうか。

この考え方は、研ぎ澄まされた1つのTVCMクリエイティブを世間に出す感覚とは大きく異なってくるかもしれませんが、私がインターネット専業の代理店で働いているからそう考えているのではなく、スマホ上の生活者視点になった時のキモチを考えた末にたどり着いた結論です。

そのような工夫をしている企業の商品と、工夫をしていない企業の商品が並んでいた時に、店頭で手に取るのは自分たち(生活者)に一歩近づこうとしている企業の商品ではないでしょうか?

また、このような考え方をもとにコミュニケーション戦略を実施することで、あらゆるペルソナを相手に最適なコミュニケーションを実現することが可能になり、これまではリーチできていなかったような生活者にもリーチすることができる可能性が高まりビジネスの最大化も実現できると考えています。

 

「スマホ」を利用する生活者の状況と、スマホならではの特徴をうまく活用し ビジネスインパクトが大きな成果が出せるコミュニケーション設計ができるように、引き続き脳みそをフル回転させていきたいと思います。