ふり返りスキームが重要。PDCAを回しつづけて得た「動画づくり」に必要な視点/NewsTV×CyberBull対談

弊社CyberBullは、動画市場の隆盛に先がけて2015年に設立されました。今回は、同じく2015年に設立された株式会社NewsTVの杉浦健太氏をゲストに招き、設立から2年間、お互いに培ってきた「動画クリエイティブ」の制作から運用までのノウハウについてインタビュー取材を行いました。

 

ーまずはゲストの杉浦社長、簡単に自己紹介をお願いします。

杉浦:株式会社NewsTVの代表をしています杉浦です。

NewsTVでは企業のニュースを1分程度の動画で配信する「ビデオリリース」配信サービスを提供しています。注目のイベントや新商品の発表会などの情報を動画を使ってわかりやすくお伝えしています。設立からいままでで700本くらいの制作実績があります。

中田:NewsTVは設立当時から、ビデオリリースという形態のビジネスをされていたのですか?

杉浦:最初からそうですね。企業のプレスリリースに動画を活用した「ビデオリリース」をしようということで。当初は、レポーターを入れてやろうとしてましたけどね。WBSの”トレンドたまご”って2~3分で概要がわかるじゃないですか。一番商品をわかりやすく伝えられていると気付いて、Web動画に置き換えてどうやるべきかを考えていました。

 

ー動画広告の市場規模は伸びていますが、2015年の設立から2年間で具体的にどんな変化を感じましたか?

杉浦:そうですね、今年はさすがに「動画元年」とは言われなくなりましたね。NewsTVができた2015年6月ごろは、ちょうどFacebookが動画をだしてきて。つづいてTwitter、Instagramも60秒まで動画をアップできるようになったり。

それまではYoutubeくらいしか動画ってなかったので、配信先がだいぶ増えた印象です。

中田:たしかに、僕も一番に大きな変化として感じるのは「フォーマットの変化」です。WiFiなどの通信環境も整って、ユーザーが動画に触れる機会が増えましたね。
逆にいうと、フォーマットの変化くらいで動画元年とみんな騒ぎますが、
マーケットの地殻変動、と言われるくらいの変化はまだこれからだと思っています。

フォーマットの変化により、クリエイティブの表現幅が大きく増えたことで、
これまでデジタルを活用していなかった企業も動画を切り口にデジタルを活用するようになっている、と思います。

杉浦:うちもちょうどこの前、中小企業のM&Aの仲介や支援を行っている会社から発注をいただいたのですが、本当にデジタル動画に取り組まれる業界は広くなったなと感じました。ちなみにこの企業様は弊社のアドネットワークを活用し、中小オーナー社長向けに配信したのですが、ビデオリリース実施前比較で問い合わせが10倍になったそうです。

 

ー一方でどんな動画をつくったらいいかわからない、という企業の声も多いのでは? 動画の制作のやり方や効果検証はどのように行っていますか?

杉浦:ビデオリリースは、記者発表会に行ったり、企業から頂いた素材をもとに動画を制作しています。

PDCAの回し方としては、数パターンの動画を同時に入稿して運用部隊が検証しながら配信する他に、週に1回制作メンバーと運用チーム全員でふり返りを行い、仮説を立ててどんどん改善をしています。ユーザーの離脱を1秒ごとに測れるので、どんなシーンの時に離脱するか細かい点まで分解して検証しています。

中田:CyberBullでは、社内で動画の制作から広告の運用効果検証までを一気通貫して行っているのが特徴なんですけど、1週間で30~40本ほどの動画クリエイティブをがっつり一気に配信して検証をくり返し行っています。

具体的なPDCAの回し方としては、考え方のスキームを作っていて、動画の構成を「冒頭・中盤・ラスト」といった3つのブロックに分けて考えます。例えば、中盤とラストのクリエイティブは全て同じ内容にして、冒頭だけを変えることで、どんなクリエイティブが効果的なのか見極めやすくしています。

ただ、今の分析検証の仕方は正直まだまだ煩雑だと思っています。

動画はクリエイティブの構成要素が静止画と比較しても格段に多く、さらに、コミュニケーション時間も静止画と比較した際長くなるので、動画のどのタイミング、またどの要素がユーザーの心に響いたのか、媒体から確認出来るレポートだけでは精度の高い分析は出来ません。

媒体の管理画面から出せるレポートの数値に加えて、必要であればアイトラッキングや表情解析ツールも活用して、できるだけ多角的な分析を行っています。

杉浦:動画にはさまざまな要素が絡みあっているので、仮説を立てることが大切ですよね。

他にも、ビデオリリースの効果検証としてアンケートを行っていますが、広告を見る前後でのユーザーの態度変容に関して、テレビCMだと良くて5%くらいのところ、ビデオリリースは2桁ほど態度変容する結果になるんですね。

中田:なるほど。それはおもしろいですね。ターゲティングに加えて、NewsTVさんのビデオリリースは、広告ではなくニュースを元にした「コンテンツ」形式でユーザーへしっかり情報を伝えられるってところがいいですよね。

 

―「広告」は嫌われているという議論もあるように、ユーザーもかなり「広告」を見分ける目は肥えてきていると思うのですが、まず見てもらうために大切だと思うことは何でしょうか?

杉浦:やっぱりユーザー視点ですよね。いわゆるインサイトみたいな、ユーザーが何を求めているのかというマーケター的センスが必要だと思います。動画を制作する人もプランニングする人も。この人は、どんなときにワクワクするんだろうとか、何に関心があるんだろうとか。

後は、PRの視点でのプランニングが非常に重要だと考えています。さっきお話した中小企業向けのM&A案件のビデオリリースを作成した時に、「日本では毎年、25万社の企業が倒産しています。その半分が事業を継承する人がいないことが理由です。」という導入にしたんですよ。すると経営者自身が「これ俺の会社のことじゃん」とか、担当する税理士が「これ俺のクライアントのことじゃん」と、自分ごと化して受け止めてくれるんですよね。それで最後まで見続けてくれるんです。

 

―今後、動画マーケットに対して挑んでいきたいことは何ですか?

中田:デジタルにおけるブランドクリエイティブを定義する、です。

インターネットの動画市場はだいぶ変化してきましたが、「ブランド認知及び、態度変容」を上げるための動画クリエイティブに正解はまだないと思っています。

デジタルもやりたいけどよくわからないといった企業の方からの声が多いです。生活者とのコミュニケーションのとり方や、デジタル向けにどんな動画を作るべきなのかといったHowの課題に対して、解決へ導けるような存在になれるようになりたいと思っています。

基本的には「良いものをたくさん」のテーマからブラさず、思い切った挑戦をたくさんしていきたいと思います。

杉浦:僕らは「ビデオリリースを商習慣にする」といったビジョンを掲げています。

15年前は、タレントを使った記者発表会って日本になかったんですよ。10年前はPRTIMESのようなニュースリリースの一斉配信サイトもありませんでした。でも、今では当たり前の商習慣になっています。「ビデオリリース」自体もモノを広めたい企業が必ずやらなくてはいけないことリストに入るような商習慣にしていきます。

動画って、無理やりクリックさせて誘導するタイプのコンテンツではないので。いろんなコミュニケーションの可能性がありますよね。そういった動画の可能性を信じて、お互いやっていければと思います。

 

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