なぜCM予算の1/3で70本の動画広告を作れるのか? CyberBullを支えるテクノロジー

株式会社CyberBull(サイバーブル)は、インターネット広告市場にて国内トップシェアを誇るサイバーエージェントグループの子会社です。動画を専門とした広告代理事業を手掛ける会社として2015年に設立されました。

サイバーエージェントグループにおける当社の特徴は、社内に制作プロダクションチーム「CyberBull Creative」を設置し、広告クリエイティブの企画制作も内製化していることです。

本記事では、代表取締役社長の中田へのインタビューから、なぜCyberBullがデジタル動画広告において大量の動画クリエイティブの制作体制を構築しようとしているのか、そしてそれを支えるテクノロジーへの取組みについてお伝えしていきます。

 

■もったいない動画広告の使い方。原因は「制作費」と「工数」

株式会社CyberBull代表取締役 中田大樹

昨年頃からマス広告を中心に出稿している企業様が動画広告等のデジタルを本格活用するケースが増え始めました。デジタルの活用はテレビCMでは届かない層へのリーチ補完のみならず、伝えたい人へ伝えたいメッセージを届けるためのコミュニケーション補完としても有効です。

一方、留意すべき点はマスとデジタルのアプローチの違いです。様々な魅力的なコンテンツが溢れるデジタルの世界において生活者に指を止めて広告を見てもらうためには、あらゆる工夫が必要です。

そのためには、「運用型」であるインターネット動画広告の特性を理解する必要があります。

例えば、ある商品のプロモーションにおいてテレビCMでは15秒、30秒のクリエイティブを3~4種類を制作するのが一般的かと思います。しかし、「運用型」のインターネット動画広告では、年齢や性別、興味関心など生活者に合わせて広告クリエイティブを出し分けることや、ABテストによってクリエイティブのPDCAを回すことが必要です。

つまり、運用型の動画広告においては、膨大な本数の動画クリエイティブを効率よく制作できるかが非常に重要です。にもかかわらず、実際にはなかなか数十パターンもの膨大な広告クリエイティブの配信に踏み切れないという企業様の声を多く耳にします。

 

ボトルネックとなっているのは「制作費」と「工数」です。

 

コスト面の課題が解決できず、既に出来上がっているテレビCMをデジタルにも流用し1本のクリエイティブで動画広告を配信してしまうことは非常にもったいないことです。

ちなみに、1本のクリエイティブで動画広告配信を行った場合、どれだけ効果が悪くなってしまうのでしょうか。このグラフは、過去に実施した広告キャンペーンにおいて、1本のクリエイティブを配信した場合と複数クリエイティブを配信した場合の再生開始率を比較したグラフです。動画広告の再生開始率を初日に100%とした場合に、日数の経過に伴って再生開始率の変化値を表しています。

1本のクリエイティブだけでは、どんどん再生開始率が下がっていきます。言い換えると、広告が「飽きられて」しまっているのです。

 

どんなに人々の心を動かす素晴らしい広告クリエイティブが完成しても、それを見てもらえないことには始まりません。

 

そこで、我々は根本的な課題から解決していく必要があると思い、社内に制作プロダクションチームを持つ強みを生かして制作現場からデジタル時代の広告を再定義していこうと、テクノロジーとの融合による新しい動画広告の制作フローの構築を目指すことにしました。

 

■Video-Suiteで再定義するデジタル時代のクリエイティブ運用

 

 

映像制作における無駄な「工数」と「人件費」削減のために開発したのが「Video-Suite(ビデオスイート)」です。

デジタルが当たり前の世の中でもなお、映像制作の根本フローは大きく変わることなくアナログ作業が多いのが現状です。まず目を付けたのは、撮影完了から編集作業に取り掛かるまでに行う作業です。

通常は全カット撮影が終わったらOKとNGカットの精査を人間が目視で行います。編集用のパソコンに動画素材を移した後、編集者が全動画データに目を通し、ディレクターの“手書きの指示書“と動画に写されたカチンコのシーン番号を照合して確認します。動画データは容量も大きくパソコンへのデータ移行の時間も含めると膨大な時間がかかります。

VideoSuiteは「QRコード」をカチンコに採用することで、アナログなデータ管理および精査の仕組みをすべて自動化しました。撮影時にカチンコの代わりにQRコードを読み込むことで、シーン番号や、OK/NGの情報を管理します。さらに、撮影と同時にサーバーを通じて編集者のパソコンへ次々と素材を送信することもできるため、遠隔地での撮影でも撮影とほぼリアルタイムで素早く編集を行うことができます。

実際にこのシステムを活用したある商品のプロモーションでは、1日の撮影で72本の動画クリエイティブを制作しました。撮影から編集までの待ち時間を従来より4分の1に短縮することを実現しました。

 

■良質な動画を量産する方法をテクノロジーで実現する

CyberBullでは、リアルタイムで最適な広告運用を実現するため、ひとつの商品・サービスにつき数10本~100本程の動画広告を制作します。

すべてユニークな企画かというとそうではありません。1本の動画広告をいくつかのブロックに分けて企画・撮影し、組み合わせパターンを変えて大量に本数を用意します。
そのため、1回の撮影では同じシーンでも異なる画の撮り方をするなど大量の動画素材を撮影しています。効果検証の際にはそれらを組み替えて検証することができるのでスピーディーにPDCAを回すことができます。

今はシーンごとのつなぎの編集を編集者が行っていますが、膨大な本数に対応するためにも、Video-Suiteの次のフェーズではつなぎをすべて自動化する「自動編集システム」を導入する予定です。各ブロックの素材だけ制作すればあとは自動で組み合わせを変えた動画が自動生成されます。

こうしたシステムによる工夫は、素早く大量の動画を制作するためだけでなく、編集者の負担を減らし「考える時間」を増やすことでより質の高いクリエイティブを提供したいという想いも背景にあります。

 

■ブランディング広告にも運用する時代がやってくる

今後WiFiや5G回線などの環境が整備されるにつれて、人々の動画コンテンツの消費時間が伸び、動画広告の活用シーンもさらに広がっていくことが予想されます。

デジタルメディアと運用は切っても切り離せない関係です。

伝えたい相手に見てもらい、知ってもらい、行動を変容させる。

このマーケティングの基本をより精度高く実践するためには、

・より多くの人々に広告コンテンツを届ける「運用」
・伝えたい相手によって広告コンテンツを丁寧に分けて届ける「運用」
・見た人の行動を変えるような広告コンテンツの要素を検証する「運用」

上記は一例ですが、こうした様々な「運用」をすることでより精度の高いブランディングが実現できると思っています。

最後に、運用のためには良質なクリエイティブを量産するための体制構築がカギとなります。近い将来、CG技術やAIを活用することでそれを実現する時代が必ず到来します。CyberBullでも、自社スタジオのCG対応に着手しています。

※開発中のバーチャル×リアル融合の撮影スタジオ

 

現在、開発しているのは、バーチャルとリアルを融合した撮影スタジオです。動画の制作費にはロケ地へ移動する交通費やスタジオを借りる費用、美術など、細かいところで費用がかさんでいます。制作費自体を抑えつつ、より幅広い表現を可能にするため、バーチャル技術を取り入れた撮影スタジオの開発を進めています。

 

テクノロジーを活かして、さらに精度の高い広告運用を支える動画広告のクリエイティブ制作体制を構築していきます。

 

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■会社概要
株式会社CyberBull(サイバーブル)
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